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73巻の表紙の恋次と最終巻(74巻)の表紙の一護は背表紙でも背中合わせに見えない


“BLEACH最終巻(74巻)の表紙の一護は、表紙ではルキアと背中合わせだけど、背表紙の方では隣の73巻の表紙の恋次と意図的に背中合わせの演出をされてるように見える”

という、ネットで見かけた解釈について。


一般的なコミックスの並べ方や久保先生が最終巻の表紙に一護&ルキアの二人を描いた想いを考えたら、違うと思います。



コミックスは左から右へ並べるのが一般的


次の画像のように、一般的なコミックスの並べ方(左から右へ並べる)だと、一護と恋次は背表紙でも背中合わせに見えないと思います。




コミックスは背表紙側から見ると、ページは左側から始まって右側で終わります。

そして、次巻がその右側に並んでいたら、前巻の最後のページと次巻の最初のページが隣同士になりキレイに繋がるので、左から右へ並べるのが一般的だと思います。

そうやって並べた本を平積みにした時、一番若い巻数の表紙が一番上になることも基本形ではないでしょうか。


例えば、有名な『ドラゴンボール』のコミックスのように、背表紙の絵が繋がっている作品を見ると、左から右へ並べることを前提に描かれているのがよく分かります。


全巻一冊のカバーに掲載されている、BLEACH全74巻分の表紙の並びを見ても、左から右へ並んでいます。


だから、もし仮に73巻の表紙の恋次と74巻の表紙の一護で、そういった背中合わせに見える背表紙の仕掛けをしようとするなら、これらの表紙絵を左右反転させた向きで描く方が自然な気がします。

コミックスが左から右へ並ぶのを前提に作られている事を、作者も当然分かっている筈だからです。


そうしなかったという事は、作者にそういう意図は無かったという事だと思います。



まだ「72巻の表紙の石田と73巻の表紙の恋次が背中合わせに見える」方が自然。


BLEACHコミックスの背表紙の絵は繋がっていませんが、もし73巻の表紙の恋次と背中合わせに見えるキャラがいるとしたら、それは72巻の表紙の石田との方がまだ自然だと思います。

描かれてる姿の時間軸も同じで、どちらも単体絵ですし。


その一方で、74巻の表紙の一護は時間軸の違う10年後の姿ですし、何より、この一護と背中合わせに描かれているキャラはルキアだけですから、代わりは誰もいません。

例え背表紙の方だけ一護単体で載っているとしても、これは変わりません。


なのに、どうして他キャラを介入させたがるのかが、はっきり言ってよく分からないです。

恋次の表紙絵と同じく、74巻の一護の表紙絵も単体だったならまだしも。



作者が最終巻の表紙を一護&ルキアにした想い


[出典:©久保帯人/集英社『BLEACH』74巻の表紙]



久保先生が『JET』で語られた、最終巻の表紙に一護とルキアを描いた想いを読んだら、尚更ルキアの代わりはいないと思えます。


通常、BLEACHのコミックスの表紙になるキャラは一人ですが、最終巻の表紙だけ特別に一護とルキアの二人にした想いです。



元々この二人から始まった物語なので、この二人で締めようと思いました。

(中略)ルキアと一護は最後に一緒でいいかなと。ずっと一人だったので、ラストだけ二人にすることで特別感も出るのかなって。

この二人が『BLEACH』を象徴する二人ですからね。一護だけでも『BLEACH』は始まらなかったし、ルキアだけでも始まらなかったんです。

[出典:©久保帯人/集英社『BLEACH イラスト集 JET』]



まとめ


「73巻の表紙の恋次と74巻の表紙の一護が背表紙で意図的に背中合わせの演出をされてるように見える」解釈は違うと思う理由


■74巻の表紙の一護は既にルキアと背中合わせで描かれているので、その代わりは普通いない。


■久保先生が最終巻の表紙に一護とルキアを描いた想いを考えると、尚更ルキアの代わりはいないと思える。


■コミックスの一般的な並べ方(左から右へ並べる)では、73巻の表紙の恋次と74巻の表紙の一護は背表紙でも背中合わせにならない。


┗仮に作者がそういう背表紙の演出をするなら、この並べ方に合わせてキャラの向きを決めそう。


┗次の点も踏まえ、まだ「72巻の表紙の石田と73巻の表紙の恋次が背中合わせに見える」方が自然。


・石田と恋次→単体絵/同じ時間軸(高3)の姿

・一護→既に表紙でルキアと背中合わせ/高3の時から10年後の姿


(※だからと言って、石田と恋次が意図的に背中合わせの演出をされているとも思っていません)



以上のことから、冒頭で紹介した背表紙の解釈はこじつけだと思います。


最終巻(74巻)の表紙の一護は、ルキアとしか背中合わせになっていません。

正に、見たままです。


BLEACHを象徴する二人である、この最終巻の表紙の一護とルキアのポジションの代わりは、誰一人としていませんよ。



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【追記】『巻頭歌骨牌<カルタ>』が示した、最終巻の一護と背表紙でも背中合わせになるキャラはルキア


この記事をアップした後に全国発売が発表された『BLEACH 巻頭歌骨牌 SONGS OF THE SOUL』というグッズで、最終巻の一護と背表紙でも背中合わせになるキャラはルキアであることが示されました。


それが一目瞭然の、BLEACH公式Twitterアカウントのツイートを下にシェアします。




これは、2021年に久保帯人先生の公式ファンクラブ「Klub Outside」にて先行販売された骨牌で、全国発売に伴い460話の一護&ルキアのカラーイラストが新パッケージになりました。(旧パッケージは一護単体でした)


最終巻の表紙のように全体的にオレンジ色に加工された背中合わせの一護とルキアが表紙に載っていて、背表紙にはルキアが載っています。


何とこれ、表紙も背表紙も最終巻に合わせたデザインになっており、パッケージはコミックスサイズなので、最終巻の隣に並べる事を前提に作られています。

そして、最終巻の隣に並べると背表紙でも一護とルキアが背中合わせになるんです。


通常ならまず主人公の一護の方が背表紙になりそうですが、最終巻の背表紙の一護に合わせて骨牌の方はルキアを背表紙にしたのだと思います。

ちなみに、公式が並べたコミックスを見ても、やはり最終巻の背表紙の一護と前巻の背表紙の恋次は背中合わせになりません。



そして、下のツイートはこの骨牌の担当者の方々による製作話が沢山知れるルポ漫画です。

ツイート内のリンクから全ページが読めます。




BLEACH最終巻と骨牌を並べると一護とルキアが背中合わせになる事に対し「おおっ!一護とルキアが背中合わせに!!これは良い!!これは良いぞ!!」と興奮されてるシーンを読んだ時、私のテンションもとても上がりました。

デザインを最終巻のコミックスに合わせ、背表紙の一護とルキアが意図的に背中合わせになるように作られた事はこれで確定です。


また「本家のコミックスと同じデザイナーさんにお願いして 読者の方に喜んでもらえるデザインを目指しました!」との言葉に、更に嬉しくなりました。


コミックスではないグッズを最終巻と繋げて、表紙の一護&ルキアを改めてクローズアップするという公式の天才的なアイデアが本当に嬉しくて、大満足です。

全国発売するにあたり、敢えてこの新パッケージに変更した事に熱い拘りを感じられて感激しています。



最終結論


BLEACH最終巻の表紙の一護は、表紙でも背表紙でも背中合わせになる相手は確実にルキアだけです。